昨日、仕事帰りにとある仙台近郊のイオンモールに立ちよった。個人的にイオンは大嫌いなのでなるべくイオンで買い物はしないようにしているのだが(理由は後述)、帰り道の途中にたちよれる場所で目的の買物ができる場所がそこしかなかったので、仕方なくイオンに入ったのだ。
未来屋書店という名前である。
学生時代に読んだ本をふともう一度読みたくなったので、それがないかどうか、探すためである。本のレーベルは岩波現代文庫なので、文庫本コーナーの岩波の棚を探した。
ない。
目的の文庫本が見つからなかったのではない。岩波現代文庫が1冊も置かれていないのである。そもそも、通常の岩波文庫すらおいていない。
結局みつけることのできなかった岩波の棚を探す過程で、店内をぐるっと一周したので気付いたのだが、その未来屋書店にはビジネス書のコーナーもなかった。ノンフィクション、社会情勢、政治、経済、経営、といった類のコーナーは存在しない。ましてや理工書、専門書なんぞの類は一冊もない。
厳密にいえば、売れ筋のビジネス書なんかは新刊コーナーに置いてあるのだが、常設のビジネス書コーナーは存在しないのである。
この書店のレイアウト、ラインナップをみて、無性に腹が立ってきた。
じわじわと怒りがこみあげてきた。
この書店に、本屋としてのプライドはないのか?
文化を担う書店としての矜持はないのかっ!!?
文化を担う書店としての矜持はないのかっ!!?
■ 元書店アルバイトとして思うこと
...実はブログ主、学生時代に某大手書店でアルバイトをしていたことがある。都内の敷地面積がそこそこ広い店で、チェーン店内における売上もそこそこ良かった。
その書店では、当然のものとして、岩波の棚は存在した。その某大手書店的発想から言えば、岩波文庫が置いてない書店なんて、ありえなかった(※1)。
まさにこんな感じのカリスマ書店員もいて、
当時ブログ主のあこがれだった笑それに
しても稲盛いずみは歳とっても美人だなぁ
...話はそれるが、昔からのファンである。
(画像は戦う! 書店ガールのHPから)
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(※1)個人的には岩波文庫はあまり好きではない文庫ではある。文字が小さくて読みにくく、同じタイトルの本が新潮文庫であれば間違いなくそちらを買う。新潮文庫はひものしおりがデフォルト装備なのがいい。
社員さんたちは自分が担当する棚のレイアウトやラインナップに対してこだわりを持っていたし、文化の守護者・発信者たる書店員としてのプライドを感じることができて、当時学生だった自分はそんな社員さんたちをみて、憧れをいだいた。
なにより、社員さんだけじゃなくアルバイトも含めてみんな本が大好きで、好きな本のジャンルは人それぞれなのだけど、酒を飲みながら読書論だったり、好きな作家について語り合えるあの書店の仲間たちが、自分は大好きだった。
教養もあって尊敬しあえる仲間たちと一緒に働けてたことが自分はうれしかった。
教養もあって尊敬しあえる仲間たちと一緒に働けてたことが自分はうれしかった。
当時は学生だったから、フルタイムで働けなかったので特定の棚を任せてもらえることはなかった(※2)が、それでも文化を担う書店員としての誇りを、自分も生意気ながらに、もって働いていた。
(※2)アルバイトでも昼の時間週4~5で入っていた人たちは、自分の担当・ジャンルの棚を任されることがあった。
そういう経験があったものだから、この未来屋書店に対して、余計に腹が立った。
腹立たしさは、やがて「情けねぇ」という思いに変わった。
この書店の店員どもは、こんなくだらねぇ本しか並べてない自分の店が恥ずかしくないのか?
■ 未来屋書店はイオンのグループ企業
■ 未来屋書店はイオンのグループ企業
そりゃあ、敷地面積的な制限で岩波を置けない小さな書店は世の中にたくさん存在する。誰が買うかもわからない岩波文庫よりも、ドラマ化した小説、話題の本など万人ウケする売れ筋の本をメインに揃えないと、やっていけない書店もあるだろう。岩波を置きたくても置けない書店は、確かにある。
けれど、この岩波の棚がなかった未来屋書店は、イオンの系列書店である。Wkipediaの表現をかりるなら
全国に約220店舗展開する、イオングループの中核企業
(http://ja.wikipedia.org/wiki/未来屋書店、強調は筆者による)
なのである。天下のイオングループ様の、中核を担う企業なのだ。今日び、良くも悪くもイオンというだけで人は集まってくる世の中だし、その書店もけっして敷地面積の狭い方ではなかった。
それなのに、岩波文庫すら置かないで、クソみてぇな本ばっかり並べていやがる書店でいいのか?
おまえら書店員は、そんなファッ●ンな本屋で働いてて楽しいかっ!!?
おまえら書店員は、そんなファッ●ンな本屋で働いてて楽しいかっ!!?
さらなる怒りがわいてきた。
...少し補足させてもらうと、自分は未来屋書店が岩波文庫が置いてないことにムカついているわけではない。むしろ岩波文庫は上記注釈で触れたように、自分はあまり好きではないのだ。
ここで自分が怒りの対象としているのは、岩波文庫に象徴される、「教養」なり「知識」の倉庫としての本を置かずに、どこの本屋にいっても同じように平積みされている新刊本、話題の本、雑誌類、つまりさきほど自分が「クソみてぇな」と表現した本で埋め尽くされたレイアウトに対してである。
そしてそのレイアウトを許容している、未来屋書店およびその店員たちのプライドのなさに対してである。
奴らの「文化の守護者たる書店」としての自覚のなさに対してなのである。
そしてそのレイアウトを許容している、未来屋書店およびその店員たちのプライドのなさに対してである。
奴らの「文化の守護者たる書店」としての自覚のなさに対してなのである。
再びWikipediaの情報によれば、そんなクソみてぇな未来屋書店が、全国に約220店舗も存在するらしい。これでは、本離れが叫ばれて久しいこの世の中の悪い流れを、さらに加速させるだけである。
そもそも、この未来屋書店を擁するイオングループが「文化の守護者」どころか「文化の破壊者」であることは様々な場所で議論されている。
ためしに「イオン 文化破壊」で検索してみただけでも42万4000件のヒットがあった。有名な話、イオンモールはテナントとして全国チェーンばかりを出店させるので、どこのモールに入っても金太郎あめの様な画一的風景になるし、地元の零細企業はイオンモールでの出店、取引ができないのでそうやって地方の文化は廃れていく。
「復興の象徴」の触れ込みで被災地に新規出店をしておきながら、被災地の企業、個人商店にはいっさい金が入らないシステムでの出店であるため、むしろ迷惑に感じる人もいた、というエピソードはもっと世に知られて然るべきだろう。
この一定の売れゆきが確保できるだろうと思われる全国チェーンばかり出店を許し、地方の文化の担い手である個人商店はどれだけ儲かるかわからないからはじく、というイオンモールの出店スタイル、どこかで聞き覚えがないだろうか。
確実な売れゆきが確保できるだろうと思われる新刊、話題の本、雑誌ばかりを並べ、文化、教養の基礎となる本はどれだけ売れるかわからないからはじく...。
そう、未来屋書店の本のラインナップは、イオンモールのショップラインナップの縮図なのである!
文化の破壊者である「イオングループの中核企業」である未来屋書店が、文化の守護者たりえるわけがないのである!!
文化の破壊者である「イオングループの中核企業」である未来屋書店が、文化の守護者たりえるわけがないのである!!
気分がノってきたので(笑)もっとはっきり言おう!
なにが「未来」屋だこのクソ書店野郎!!
おまえら書店員のくせに「温故知新」って言葉知らねーのか!
過去の英知の象徴である岩波文庫も置いてねえ書店が、偉ぶって「未来」名乗ってんじゃねーよ!!
おまえら書店員のくせに「温故知新」って言葉知らねーのか!
過去の英知の象徴である岩波文庫も置いてねえ書店が、偉ぶって「未来」名乗ってんじゃねーよ!!
おまえらみたいな大企業のくせに文化を破壊してる奴らに「書店」を名乗る資格なんかねーんだよ!!
■ 文化破壊に対するレジスタンス
...あぁ、なんだかここまでボロクソに未来屋書店をディスりきってある程度スッキリはしたのだが(笑)、イオンおよび未来屋書店に対する怒りはまだまだ冷めやらない。
と、いうわけで個人的にイオンに対するレジスタンスを行うことにした。文化の破壊者たるイオンに対して、ブログ主はささやかながら抵抗を試みることにした。
具体的には
- 未来屋書店では本を買わない
- イオンで買い物をしない
- イオン系コンビニであるミニストップで買い物をしない
- 岡田克也が代表をつとめる民主党には投票しない(※3)
- なるべく個人経営なり地元密着型の企業、小売店で買い物をするように心がける
といった方法である。要はイオングループに対する不買運動だ。ミニストップまで巻き込んでいることに対し、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」じゃねーかよ、という批判は甘んじて受けよう笑
(※3)民主党代表、岡田克也はイオングループCEOの岡田元也の実の弟である。そのため、岡田克也の政治的行動にはイオングループの意向が反映されると考えてまず不自然ではない。まぁそもそも、岡田克也が代表であるかどうかにかかわらず民主党には投票しないが笑
まぁ、戦いの結果は火を見るよりも明らかだろう。こっちは単なる零細ブロガー。一方で相手は天下のイオングループ様様である。凡庸なたとえで言うなら、象に挑むアリといったところか。
しかし。
アリも群れれば猛獣を倒すこともある。このブログを読んでもし共感してくださった方がいらしたら、ぜひともイオングループに対するレジスタンス戦線に加わっていただきたい。
我々は常に、文化の破壊者に対して毅然たる態度をもって応じなくてはならない。特に、こういった地域史・郷土史をテーマとしているブログの執筆者なら、なおさらなのである。
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