史跡めぐりをしていて避けて通れないのが、その場所の特定である。当たり前だが、場所がわからなければ訪れることはできない。
さすがに「大阪城」だとか「松下村塾」といったレベルの史跡ならば、Google先生に訪ねれば一発で解決なのだけれども、なかには場所がわかりにくいものもある。
たとえば仙台には「芭蕉の辻」という歴史的に有名な交差点がある。旧奥州街道と仙台城の大手通が交わる、仙台の「ヘソ」だ。これも残念ながら、「芭蕉の辻」と検索してもピンポイントでは指し示してくれない。
史跡としての「芭蕉の辻」跡は検索されない。 ヒットするのは「芭蕉の辻 支店」。これがGoogleの限界か。 |
これはまだ交差点だけあって場所の特定が楽なほうなのだが、中には城跡など、場所の特定が極めて難しいものもある。それこそ図書館で市町村史をみて「~旧○○街道の××里西方に」だの「本丸には○○神社が残っており」だのといった文言を参考に、現地で人に訪ねまわって、ようやく場所がわかるものもあるのだ。
「最寄りのTSUTAYA」とか「整形外科」といったような生活に必要な情報なら抜群の威力を誇るのだが、史跡という観点からみれば、まだGoogle先生は万能の存在とは言い難い。
…と、タイトルが「Google Mapのありがたさ」なのに、なんだか天下のGoogle先生をディスる内容になってしまった。このままではタイトル詐欺である。
■ 苦労してこそ旅の思い出
ただし。
個人的には「場所の特定」も含めての史跡めぐりだとおもっているので、それはそれで楽しいから問題ないと考えている。
上記のように図書館で調べものをしたり、土地の人に訪ねながら目的地を探すのは、楽しいし、むしろそこにこそ、旅の本質がある。目的地まで一直線の旅なんて、面白くない。
何より、そういった苦労話も含めて自分の体験を元に特定した場所を具体的に指し示すところに、こういった史跡巡り系ブログの価値が生まれるのである。そして、その表現方法としてのGoogle Mapに、ブログ主はありがたさを感じている、というのが今回述べたいことなのだ。
■紙の限界と、デジタルマップの有用性
とある史跡ガイドの定番本より、花巻周辺。 こんなおおざっぱでわかるかっ!! |
しかし、問題はその縮尺である。一枚の地図に多くのスポットを載せようとするあまり、おおまかな位置はわかっても、実際に現地で近づいてみると場所がまったくわからないものも多いのだ。
「とにかくがんばれ」だの「熱意があれば伝わる」といった精神論だけを説き、具体的な指示をくれないポエム系上司の説教にどこか似ている。「なんとなくその辺に行けば見つかるよ」と。
それがどこやっちゅうねん。
それがどこやっちゅうねん。
とはいえ、一件ずつ詳細な地図を載せるのも、紙幅の関係上難しいのであろう。地図はあんがい、スペースを食う。
やはり同じ理由で、説明と地図のページがかけはなれていて、いちいちページを往復できない構成のものもあり、それもまた不便に感じる。
その点、Google Mapはありがたい。
たとえば、(手前味噌で申し訳ないのだが)当ブログ主が編集した下の地図を見ていただきたい。これは、江戸時代の仙台藩における城/要害/所/在所/番所/関所をまとめた地図である(ただいま絶賛更新中)。
このデジタルマップならば、拡大して詳細な位置を確認するのも、縮小しておおざっぱな位置関係を捕らえるのも、思いのままなのである。
こういった城郭関連だととくにそうなのだが、城の位置関係を大局的な地図でながめて、
「あぁ、仙台藩の要害は北方の対南部、旧葛西・大崎領、南方の対相馬・仙道口に集中しているんだなぁ」とか
「旧気仙郡には要害も在所もないけど、統治はどうしてたんだろう」とかいったヒントを得られることもあるし、城の位置をもっと狭いスケールで確認して、実際に訪れるときの助けにしたり、周りの地形と照らし合わせながら、
「絶妙な場所に本丸があったんだなぁ」とか
「この位置なら、この街道を抑えるのがこの城の役割だったんだろうなぁ」といったヒントを得ることができるのだ。
拡大も縮小も、同じ一枚の地図でできる。
その上、(機能は上記のように完璧でないにせよ)検索もできる。
地図に載っていない情報でも、自分で編集して加えることができる。
さらに、それをブログに埋め込める。
あと地味に便利なのは、「この史跡から次の史跡まで車で何分」というルート表示・検索もできること。一枚の地図が、歴史的考察の助けにも、カーナビ替わりにもなるのだ。
このブログは特に埋め込みではない画像地図を作成する際にも、Google Mapの地形図をべースに編集させてもらうことが多い。
まさに、当ブログはGoogle Mapにはおんぶにだっこ状態なのである。
地図に載っていない情報でも、自分で編集して加えることができる。
さらに、それをブログに埋め込める。
あと地味に便利なのは、「この史跡から次の史跡まで車で何分」というルート表示・検索もできること。一枚の地図が、歴史的考察の助けにも、カーナビ替わりにもなるのだ。
このブログは特に埋め込みではない画像地図を作成する際にも、Google Mapの地形図をべースに編集させてもらうことが多い。
まさに、当ブログはGoogle Mapにはおんぶにだっこ状態なのである。